頭痛について

頭痛のイメージ写真

一次性頭痛は頭痛そのものが病気とされるもので、二次性頭痛は何らかの脳疾患(脳血管障害 など)によって引き起こされる頭痛です。
注意する必要があるのは、後者の二次性頭痛ですが、一次性頭痛であっても日常生活に支障をきたすほどの頭痛から多くの患者様が脳神経科を受診されます。
頭痛の原因の大半は一次性頭痛ですが、繰り返しの頭痛に悩まされている場合は一度ご受診ください。

一次性頭痛

一次性頭痛は、主に3つのタイプ(片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛)があると言われています。発生部位や痛みの内容などそれぞれ異なります。

片頭痛

片側あるいは両側の拍動性の痛みで日常生活の動作で増悪がみられます。吐き気や嘔吐、光・音過敏、痛みが出始める前に目の前にフラッシュのような光が瞬く閃輝暗点(視界の一部が見えにくくなる)といったものが現れることもあります。

一度片頭痛が起きると数時間から2~3日は続くとされ、その際は強い痛みが出るほか、吐き気も伴うなどして日常生活にも影響が出るようになります。
発症の頻度は人によって様々で週1の方もいれば、月1の方もいます。

発症の確定的機序はまだ示されていませんが、三叉神経血管系、脳幹部の下行性疼痛制御系および各種神経ペプチドが重要な役割を果たしていると考えられています。
痛みの誘発因子には天候・気温の変化、心身のストレス、月経周期、睡眠の過不足、空腹、飲酒、などが挙げられています。

治療について

主に2つあります。ひとつは片頭痛の痛みを抑える治療、もうひとつが頭痛発作を予防する治療です。痛みを抑える治療では、トリプタン系製剤が主流です。
頭痛が月2回以上または6日以上おきる場合は片頭痛発作を予防する治療を行います。抗てんかん薬、抗うつ薬、降圧剤などが用いられます。
月経周期で誘発される頭痛には漢方治療がよく効く事があります。

緊張型頭痛

両側性の圧迫されるような軽度から中等度の痛みで日常動作では増悪しない頭痛とされます。
頭蓋周囲筋の圧痛がある事が多く、僧帽筋の血行障害、中枢の筋収縮抑制の欠如、筋における感覚過敏などが指摘されています。
肩こりや首などのこり、めまいなど頭痛以外の症状もみられます。

治療について

日常生活を妨げるくらいの痛みの場合は治療の対象になります。
NSAIDs、筋弛緩剤などの痛み止めの薬を用いるなどして緩和していきます。
またストレッチ、入浴、身体を適度に動かすといったことでリラクセーションをしていき、過度に緊張を高めない予防対策も必要です。

群発頭痛

群発頭痛およびその近縁疾患は、短時間、片側性の頭痛発作と結膜充血、流涙、鼻漏などの頭部副交感神経系の自律神経症状を伴う事が特徴です。
目の周囲から前頭部、側頭部にかけての激しい頭痛が数週から数ヶ月の期間群発します。
好発年齢は20~40代で男性患者が多いとされ、大酒家、ヘビースモーカーに多く、誘発原因はアルコール、ニトログリセリン、ヒスタミンが挙げられます。
原因は内頸動脈周囲起源説や視床下部起源説など諸説ありますが確定されていません。

治療について

喫煙や飲酒をされている場合は、禁煙と禁酒をまず実践します。 頭痛の発作を抑える治療としては、トリプタン系製剤の皮下注射や純酸素吸入法などを行っていきます。
群発頭痛近縁疾患にはイドメタシンや坑てんかん薬が有効です。

二次性頭痛

原因が特定できる頭痛のことで症候性頭痛とも呼ばれています。
この場合、くも膜下出血などの脳血管障害(脳出血、脳梗塞)や脳腫瘍によって頭痛の症状がみられることもあるので生命に関わるケースもあります。
これまで感じたことのない頭痛を感じたら早めにご受診されるようにしてください。
また薬物を乱用したことで現れる頭痛のほか、頭部の外傷、感染症(脳炎、髄膜炎 など)、自己免疫疾患といったことが原因でみられる頭痛も含まれます。